小雨の中の盂蘭盆施餓鬼法要

先の日曜日は、「盂蘭盆施餓鬼法要」厳修の日でしたが、それはまた、心ひとつにしての祈りの日でもあったと思っております。島根は蒸し暑く、新型コロナウイルス感染症対策には『換気』ということでは都合よかったのですが、「BA5」という変異株は、第7波となって猛威をふるい、感染者数の新記録が連日続くこととなり、遂には、法要も、『流れ焼香』方式に変更となりましたが、信者様にはすでに御祈願の申込みされた方々が多く、ほおづき提灯は、既に、ご先祖様供養をいただいたものとなっておりました。

  

『流れ焼香方式』には関係なく、親先生を始め僧侶様方には、盂蘭盆施餓鬼秘法の真を尽くしていただくことであり、変わらず蒸し暑さを耐えておられるものと感謝申し上げることでありますが、お参りさせて戴いている信者様には、換気の風がありがたく感じた日でもありました。加えて、篤信なお同行さまの丹精込めて育てられた大輪の蓮の花が、会場を驚かせて、明るく幸せにもさせて戴きました。有難くお礼申し上げることであります。

  

当日は、時おり小雨のぱらつく天気ではありましたが、猛烈な日差しを直に受けることなくありがたいことでございました。奥之院の方角には大師山(山陰高野山)の緑深い山肌が輝き、夏の花のキスゲ、ムクゲ、カンナ、サルスベリなどが色合を競っておりました。

親先生の御法話は、『盆はうれしや 別れた人も 晴れてこの世に会いにくる』との詩から始まり、目には見えないけれどもお祖父さん・お祖母さん、父母、飼っていた動物たちなど家族として縁あるものが会いに来ていると…。新型コロナ禍で3年になるが、今年はいよいよ百万遍もできないことになったと…。これからどのように対処して行くのかと(…仏さまに…)問われていると…。 令和4年は『トラ年』であるが、2月には、ロシアのプーチンが戦争を始めた。ウクライナのスラブ民族という兄弟の命を平気で奪っていると…。 7月には、昭和29年生まれの、お逢いしたことはないが、華々しい政治の世界の人が命を断たれた。無常を感じさせられ、お祖父さんとの繋がりを感じる。25~6年遡ったころに、霊感商法とか、何とか協会とかのことで、相談を受けた記憶があると…。当事者の子ども達がその気でいて、ご両親は手の施しようが無かったとの記憶であると…。 お互い、家族を想い、相手の立場を考えることが必要であると…。

  

島根県松江市出身の中村元先生の伝えられた詩があると…。 『目のある人は、盲人のごとくであれ。 耳ある人は、聾者のごとくであれ。 知慧ある人は、愚鈍なる者のごとくであれ。 強い者は、弱い者のごとくであれ。 (中村元訳・ブッダの言葉より・テーラーガーター501)』 仏さまは、相手の気持ちになれとおっしゃっていると…。今年もご先祖さまにはよろこんでお帰りになっているとお伝えし、身も心も健やかにとお祈りさせていただきますと…。

  

新型コロナウイルス感染症は、新たな『BA5』なる変異株の感染力が強いこともありますが、社会的規制を実施していないことがあって、第7派の襲来による局面がピークを迎えています。 新型コロナウイルス禍の一日も早い終息を強く願うものです。そして、今年こそインフルエンザなみの対策で済ませることが叶うように願うものです。

(合掌)

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