春の永代経 厳修

先々の日曜日は永代経法要厳修でありましたが、遣り繰りつかず、お参りは叶いませんでした。3月はコロナ禍とのたたかいや、不整脈との体力勝負でありましたが、何とか永らえておりますことにありがたく感謝でいっぱいです。ところで、永代経について、中村元先生外編著・「岩波仏教辞典」には、「永代読経」の略で、ご先祖などのために位牌をまつり、命日または毎月の忌日もしくは春秋の彼岸などに永代にわたって菩提寺で読経してもらうこと、とあります。そのようなことで、写真は当日撮影(令和4年版)ではないことをお詫びします。

  

親先生から3月は、「 不説過戒【ふせつかかい】 (人の過ちを非難しないこと) 」といただきました。  

【不説禍戒】は《大人の学びなおし・お経で学ぶ仏教・箕輪顕量著》によりますと、【梵網経】(梵網経廬舎那仏説菩薩心地戒品) の6番目に出てくるお話です。「梵網」とは、仏教界の神の一人「大梵天王」の網のことで、広大な網のあまたの穴に仏の教えの多様さをなぞらえているとあります。 梵網経は、上下2巻からなり、上巻では、釈尊が毘廬舎那仏に代わって『梵網経』を説くという場の設定、菩薩がおさめるべき四十の心の段階(十発趣心・十長養心・十金剛心・十地)などが説かれ、下巻では、梵網戒として、『十重禁戒・四十八軽戒』が説かれていると…。 その戒律のうち、十重禁戒は、『不殺戒(ふせつかい:殺さない)』、『不盗戒(ふとうかい:盗まない)』、『不淫戒(ふいんかい:性行為はいけない)』、『不妄語戒(ふもうごかい:嘘をつかない)』、『不酤酒戒(ふこしゅかい:飲まない)』、『不説禍戒(ふせつかかい:他人の過ちを非難しない)』、『不自讃毀他戒(ふじさんきたかい:自分を褒め他人をそしってはいけない)』、『不慳戒(ふけんかい:施しを惜しまない)』、『不瞋戒(ふしんかい:怒ってはいけない)』、『不謗三宝(ふぼうさんぽうかい:仏・法・僧をそしってはいけない)』であり、四十八軽戒は、細かな規定であるとのこと…。

  

そして「正法眼蔵」の「受戒」の巻には、【原文】「第六、不説出家菩薩罪過。汝従今身 至 仏身、此戒能持 否。答云、能持。」のように述べられており、その【現代語訳】(増谷文雄・全訳注)には、その受戒の作法として、「第六に、出家の菩薩の罪過を責めぬこと。汝は、今の身より仏の身に至るまで、よくこの戒を保つや、否や。答えて云う。よく保と…。(これを三度問い、三度答える。)・・・と、あります。

  

また、宗祖覚恵お上人様語録 『心のともしび』には、『そしる身になるな!』とありました。「そしられても、そしる身になっちゃいかんばい。泣かされても、泣かす身になっちいかん。嘘つかれても、だまされても、嘘を言う身、人をだます身になっちゃいかんぞ。人から笑われても、人を笑う身になってはいかん。」と、常々おっしゃっておられたとのこと。 どんなにそしってもぬかにくぎ。どんなにけなしても、豆腐にかすがいと言いますか、にこにこしていらっしゃる。腹立ちもどうもしなさらない。かえって、ありがとうございますと、お礼をしておられる。・・・とありました。 「かみしめ」ありがたくいただきました。

  

新型コロナ感染症は、我が家も感染してしまいましたが、近隣の方々にご迷惑を掛けることもなく、無事に収束にむかっております。 3月13日からは、マスクの着用も本人の意思に任せられることになり、5月からはインフルエンザ同等に扱いも変わる模様、ただし、油断は禁物と思っていて、注意を忘れ去ってはいけないと心得ておきたいものです。 もうひとつの懸念は、ロシアの侵攻の渦中にありますウクライナのこと、平穏が戻る日を祈らずにはおられません…。

(合掌)

(管理人)