真っ白な清々しい新春初護摩供祈願祭

  

十数年に一度という大寒波に喜んでいるのは新型コロナくらいのものでしょうか…。今年の新春初護摩供祈願祭は、雪の真っ白な清々しさや、信徒会館の50センチを超える氷柱(ツララ)に、身を引き締めさせてくれました。雪のためにお参りできない方もあり、三密をさけるためには好都合でありましたが、護摩祈願の委託が増えますと会場では寂しく感じてしまいます。これもコロナの時代の対処法なのかもしれません。一方では地球温暖化が進行していますが、その氷の下からは、更なる未知のウイルスが出現し、その挑戦を受けるかもしれないのではないかと…。私たち…人間と言う生き物…は、もっともっと慎ましく、自然と融合し、すべての生命を大切に生きることが求められているように感じます。

  

親先生より令和3年1月は、「命…どんなものにも命があると感じられたら、それはきっとあなたが素敵なひとだから。」といただきました。 命といえば、食べ物、住まいなど建材、もうすぐ香り立つ梅の花など生活の隅々で恩恵に預かっています。また、身の回りには、男の子達が大好きな昆虫や、ペットとしての動物たちもいます。

食べ物は、野菜にしても肉、魚にしても、夫々の「命」を食べなければ生きられない…人間。そこで、私たちは「命をいただくこと」であるから、「いただきます」と言いますが、それだけで良いのでしょうか? 仏教には5つの戒めがあり、1番目は「不殺生戒」があり(2番目以降、不偸盗戒(盗みをしない)、不邪淫戒(淫らな性のあり方)、不妄語戒(嘘をつかない)、不飮酒戒(お酒を飲み過ぎないがある)、不殺生については「生き物を殺してはいけない」し、「殺させてもいけない」とあります。

すべての者は暴力におびえる。 すべての生き物にとっていのちは愛しい。己が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺させてはならぬ。(ダンマパダ(法句経)130)

「不殺生戒」を守って「生き物を殺さない」、「生き物を殺させない」更に「生き物を生かす」と考えると、食べ物を大切にし、無駄に廃棄したりせず、また、動物の皮で作られた鞄、衣服などは大切に使い、住居など生活を通して、命を大切にする…こうすることと共にいただいた命に感謝したいものです。

仏教にはいただいた命をもとに、他の人などに分かち合うという「布施」の考え方があると…。 布施は、菩薩の修める道とされている六波羅蜜(法)の一つであり、その「布施波羅蜜」には、お金がなくてもできる「無財施」があると…。与えてあげるのではなく、さしあげる、感謝の気持ちで行うもので、「眼施(やさしいまなざし)」、「和顔施(なごやかな表情)」、「言辞施(あたたかい言葉)」、「身施(礼儀正しいふるまいによる布施)」、「心施(あたたかい心)」、「床座施(席を譲ること)」、「房舎施(家に招きもてなす心)」などがあると…。いずれも、これならできそうと思われるものです。(お釈迦様の知恵袋より抜粋) 「いただきます」の言葉に合せて、こうしたおこないとともに感謝の気持ちが伴っていることが大切であると思うものです。

   

新型コロナウイルス感染症は、いよいよ第3波が猛威をふるっていますが、撲滅のために努力されている関係者の皆様にはこれまでにもまして心から応援させていただきたいものです。そして、新薬やワクチンの開発、新型コロナウイルス禍の一日も早い終息を強く願って祈願するものです。

(合掌)

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