肌寒い中の永代経法要

先の日曜日・春のお彼岸中日は、殊のほか寒い日でした。先週までの陽気が嘘のようなどんよりとした、風の冷たい一日。昨年は仏旗の背景に桃色の淡い花を咲かせた桜も、今年は蕾が膨らんではいるものの花は見られないものでした。黄水仙、沈丁花が満開ではありましたがレンギョウなども昨年と際立つ違いにて花の準備に忙しい様子でした。お山の景色も未だ真冬を思わせる今年のお彼岸でありました。今年の冬の寒さが思い起こされることとなりました。

  

親先生より 3月は、「慈眼 (観音様のあたたかい眼。相手を思いやる愛のまなざし。)」、といただきました。「お経で学ぶ仏教」(東京大学大学院教授 蓑輪顕量・著)には、観音経として、次のように「妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五(「お経で学ぶ仏教」より抜粋)」があり、その中に「…具一切功徳 慈眼視衆生 福聚海無量 是故応頂礼」という一節が出てきます。 この…「慈眼視衆生」…など、観音経として人気がありよく流布しているそうです。普門品が人気の理由は、人々の願いに応えるような利益をたくさん説いていること。例えば、水や火の災害、羅刹や鬼などの脅威、刀や杖で害されること、枷や鎖で拘束されること、旅の途中で盗賊に襲われることなど、数々の災難に遭った際、観音菩薩の名前を唱えれば、たちどころにその難から逃れられると説いていると…。「普門品」には観音菩薩の衆生済度の様々が細かく列挙されており、現世利益を求める人々に広く受け入れられたと…。

  

妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五 (みょうほうれんげきょうかんぜおんぼさつふもんぼんだいにじゅうご)……(観音経)

( 原文 )   真観清浄観(しんかんしょうじょうかん) 広大智慧観(こうだいちえかん) 悲観及慈観(ひかんきゅうじかん) 常願常瞻仰(じょうがんじょうせんごう) 無垢清浄光(むくしょうじょうこう) 慧日破諸闇(えにちはしょあん) 能伏災風火(のうふくさいふうか) 普明照世間(ふみょうしょうせけん) 悲体戒雷震(ひたいかいらいしん) 慈意妙大雲(じいみょうだいうん) 澍甘露法雨(じゅかんろほうう) 滅除煩悩焔(めつじょぼんのうえん) 妙音観世音(みょうおんかんぜおん) 梵音海潮音(ぼんのんかいちょうおん) 勝彼世間音(しょうひせけんのん) 是故須常念(ぜこしゅじょうねん) 念念勿生疑(ねんねんもっしょうぎ) 観世音浄聖(かんぜおんじょうしょう) 於苦悩死厄(おくのうしやく) 能為作依怙(のういさえこ) 具一切功徳(ぐいっさいくどく) 慈眼視衆生(じげんししゅじょう) 福聚海無量(ふくじゅかいむりょう) 是故応頂礼(ぜこおうちょうらい)

( 現代訳 )   真に清らかに世を眺め 広大な知恵で観察し 慈悲のまなこを持つ者を 常に願って仰ぎ見よ 無垢で清らかに輝ける 智慧の太陽は闇を裂き 災いの風や火を消して 普く世間を照らし出す 憐れみとしての戒めは 雷のごとく鳴り響き 妙なる慈悲の御心は まるで大きな雲のように 教えの雨を降りそそぎ 煩悩の火を消してゆく観世音菩薩の不思議な声は 清らかの海の潮の音 この世で一番よい声を いつも心に念じなさい 疑う心を捨てなさい 苦しみや死に悩む時 観音菩薩は寄る辺となり すべての功徳を身に備え 憐れみの目で皆を見る 福徳の海は果てしない 押し頂いて礼拝せよ

  

地球の反対側では、21世紀の現代に信じ難い戦争という悲劇が起こっています。それも同じ民族同士の戦いであると…。繰り返される戦いの惨禍を歴史に学んでいるはずの人々が、何故なのかと思ってしまいます。一日も早く停戦してほしいと願うのみ…。それから、ゆっくり交渉すればいいと…。

  

新型コロナウイルス感染症は、第6波がピークを過ぎつつあるも、様子を見る状況でしょうか。 しかし、BA2なる、新たな感染力の強い強敵が、オミクロン株に置き換わりつつあるとのこと…。次の爆発的流行があるような予感がしています。やはり、基本が大切ではないでしょうか。 手洗い・消毒・密にならないなど基本を守り、ワクチンを行き渡らせることで、インフルエンザ並みにしたいものです(勝手な願いですが……)。 新型コロナウイルス禍の一日も早い終息を強く願うものです。そして、まずは今年一年、無事に乗り切りたいものです。

(合掌)

管理人