盂蘭盆施餓鬼―厳修

先の日曜日、盂蘭盆施餓鬼・厳修、御行清掃の日から2週間ぶりのお参りです。3日前からは、コロナ禍で緊急事態宣言さ中でのオリンピック・パラリンピック開幕となり、驚きのなかでの開会式の挙行であったと歴史に名を遺すものとなったと思うところでした。境内は暑く、猿滑やカンナ、木槿(むくげ)の花など、暑さ好みの花の季節が到来していました。中山不動尊の幟が晴天に映え、古四国八十八個所には上人様御像のすずやかなお顔を拝見し、山中の涼しさを味わうことが叶いました。本堂の中は、換気されているものの、蒸れた空気の取り巻く中で、マスクの着用は我慢を強いるものでしたが、吹く風の涼を運ぶ……その折々が有難く嬉しく感じられる一日ともなっておりました。

  

親先生の今日のご法話は、「新型コロナ禍」、そして「ご縁」のことでした。昨年も同様にコロナ禍に様々な対策をしての法要でしたが、今年は、皆さんが心身ともに慣れておられる…との親先生の感想でした。必要な注意は払うものの、絶対に動かないことはせず、ある程度の感染は止むを得ないとの考えもあるのではないかと。

  

親先生には、今年で67歳になられると、年を取るにつれ、箔がつくと言われるが、そうでなかったのが良寛さん、とにかく何も持たないひとであったから、いつも手のひらは空いていて手助けもできたと、また、ここ温泉津の人で、浅原才市さんは、妙好人として浄土真宗のお慈悲を徹底され、「我が」、「ワシが」、「己が」、ということがなかった。年を取ると、健康についてさえ、我が強くて、素直に言うことを聞けない。

これではいけないと瀧光寺のお不動さんのご縁でここに集っている。ご先祖様とのご縁は、いつの頃からかわからない――仏さまにしかわからない――が、この後の百万遍のご供養で、ご先祖さまには、上げ膳、据え膳の供養をいただき、精霊送りにて、満足してお帰り頂くことができると。

  

いよいよオリンピック・パラリンピックが始まりました。ワクチン接種は、65歳以上でやっと目途がついたところ。問題は、インド株の50歳以下への急拡大。何とか、コロナを克服したオリンピック・パラリンピックとして歴史に名前が刻まれるよう祈念するものです。

(合掌)

管理人

雨を心配しつつ御行清掃の日

今日は、夏の御行清掃の日、梅雨末期の雨が心配でしたが、幸いにも、暑さでの熱中症に注意が必要な曇り空の一日となり、作業させていただくには最高の状態になってくださったと、ただただ感謝することでした。夏本番を控え、カンナ、ムクゲなど、準備万端です。そこへ、ヒメオウギスイセンが、我が意を得たりと、ゆったりと構えたようすが、美しさが際立つように感じてしまいます。 そして、位牌堂(旧本堂)の前の榧の木の枝卸しが主な作業でしたが、お同行さまの達者なチェーンソウさばきで、あっという間にスリムになってくださいました。類似のイチイの木(阿羅々木)ではないかとの説もあるとか、枝木を運んでいて、葉先がチクチクしなかったようにも感じたものでしたが、真実は(?)でしょうか。

 

親先生より 7月は、「老心(ろうしん)//慈しみの心、親が子を思うように、他の人を思う心である」といただきました。  2月のブログにも関係することですが、道元禅師の著された「典座教訓(てんぞきょうくん・食事を担当する修行僧の心構えを示されたもの)」に、「三心(さんしん)」の教えがあり、ひとつが「喜心」であり、二つ目が「老心」、三つめが「大心」であると…。

 

「…謂(いわ)ゆる老心とは、父母の心なり。譬(たと)えば父母の一子(いっし)を念(おも)うがごとく、三宝(さんぽう)を存念(ぞんねん)すること、一子を念(おも)うが如くせよ。貧者(ひんじゃ)、窮者(ぐうしゃ)、強(あながち)に一子を愛育す。其の志(こころざし)如何に。外人識(し)らず。父と作(な)り母と作(な)って、方(まさ)に之を識(し)る。自身の貧富を顧みず、偏に吾が子の長大ならんことを念う。自の寒きを顧みず、自の熱きを顧みず、子を蔭(おお)い子を覆(おお)う、以て親念切切(しんねんせつせつ)の至りと為す。其の心を発(おこ)すの人、能く之を識(し)り、其の心に慣(なら)うの人、方(まさ)に之を覚る者なり。然あれば乃ち水を看(み)、穀を看るに、皆(みな)子を養うの慈懇を存すべき者(もの)歟(か)。大師釈尊、猶(なお)二十年の佛寿を分(わか)って、末世(まっせ)の我等を蔭(おお)いたまう。其の意如何。唯父母の心を垂(た)るるのみ。如来(にょらい)全く果を求むるところなく、亦(また)富を求むるところなし。…」(典座教訓原文抜粋)

 

精進料理考(吉村昇洋著)には、次のようにあります。 「次に、『老心』だが、これは『老婆心』のことであると。『我が身を顧みず、深い悲しみから親身になって他者に関わる心』を言うと。料理をする者は、自分の料理を食べていただく相手だけではなく、食材そのものへの感謝や、丁寧に扱う心を忘れないことが大切であると。ポイントは、〝我が身を顧みず〟という部分で、何かの見返りを期待しないという姿勢が問われる。見返りを期待してしまうと、つい自分の都合のよいように相手を御してしまいそうであるが、それでは、自我が前に出過ぎてしまい、〝深い慈しみ〟はどこかへと追いやられてしまうと…。」  半年に一度の御礼清掃の日、見返りを期待しない感謝のこもった作業をさせていただきたいものと思うところです。そのためには、体調の管理も大切であり、高野山のご法話シリーズを聞きすぎて寝不足などならぬよう頑張りたいものです。

 

ところで、新型コロナのワクチンですが、2回目の接種が完了しました。2回目は、ダルさ、関節痛、微熱などあり、ほぼ1日休養でした。これで、バリヤー確保したとは思わないことにしました。第4波が到来し、その主たる勢力は、インド由来のデルタ株であるとのこと。今まで通りの消毒、マスク、三密を避けるなどの対策を続けていくことにする必要があると感じています。強力なワクチン、加えて治療薬の開発など、努力されている関係者の皆様にはこれまでにもまして心から応援させていただきたいものです。ウイルス禍の一日も早い終息を強く願って祈願するものです。

(合掌)

管理人