東から西に進む逆走台風襲来の中、盂蘭盆施餓鬼法要そして成満たる百万遍法要が厳修されました。幸いにも境内たるお山が風を遮ってくれて台風通過中にしては穏やかではありましたが、幟旗はバタバタと音を立て、提灯は吹き込む霧雨に耐えていました。お山は、低い雲に隠れて夏らしくない景色を見せていました。
親先生のご法話は、なが―いものでしたが、概略まとめてみました。まずは、台風ですが、お参りされた方には大変な嵐ではあっても、長い間この雨を待ち望んでいた人もいる…人間だけではない、動物や草木など水を得て大変な喜びでしょうと…。
そして、盂蘭盆施餓鬼のお話し、お釈迦様の弟子、目連尊者がお母様のご恩に報いたいと神通力を使ってさがされると、なんと餓鬼道にあって骨と皮に衰えておられたと…、尊者さまは、なんとか救いたいとお釈迦様に相談されましたが、母の罪過はわが子への自己中心の愛情の深さが故であると…、その救いは、修行を終えられた多くの出家者の人たちに報いることだと説かれたそうです。目連尊者はそのようにされたそうです。この教えが盂蘭盆会のご先祖様供養となっているとのことでした。
なお、施餓鬼については、やはりお釈迦様の弟子、阿難尊者の話しがあるそうです。弘法大師様が持ち帰られた「仏説救抜焔口餓鬼陀羅尼経」にあると…。それは、焔口(えんく)という餓鬼から「おまえは三日の後に餓鬼になる」と言われた阿難尊者(お釈迦様の弟子)がお釈迦様に教えを乞うお話しで、お釈迦様は、「加持飲食真言(かじおんじきしんごん):ノウマク サラバタタギャタ バロキテイ オンサラバラ サンバラウン」を唱え、更に、各如来の名号、「南無理怖畏如来」、「南無廣博身如来」、「南無甘露王如来」、「南無妙色身如来」、「南無過去宝勝如来」を唱えると、僅かな食事でもむすえ無数の餓鬼を満足させ、また、各如来の功徳から、それぞれ餓鬼の苦しみから救われるそうです。餓鬼を始め多くの魂やご先祖様のご供養をさせていただいているものと有り難く感謝するものです。
そして親先生には、宗祖上人様の生誕百五十年祭についてのお話しがあり、宝蔵比丘如来造立という記念事業への篤志について薄く広く参加していきたいとされました。お同行様共々参加させていただきたいものと思うものです。
(合掌)
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