土曜日の午後、山陰は梅雨入り、平年より22日も早いとのこと。夏の熱波に耐えねばならないかと思うと、不安にもなりそうです。その雨に先立って急遽お参りさせていただくことにしました。親先生はお同行さまと花の終わったツツジの剪定に忙しくしておられました。境内の草刈りなどいつもご苦労されていて、感謝の気持ちでいっぱいです。降り始めた雨の中、お山の中腹からは雲が沸き上がっていて、一休みして…と、促されているように感じたものです。
親先生より 5月は、「心配」( 心配は心を配ること、つまり思いやりの心を言うのです )といただきました。
近代の高僧の一人である山本玄峰老師【注】には人生の真髄をうがった多くの言葉があると。「心配」もその一つで「心痛はしてならぬ。が、心配は大いにせよ」と。「心痛」は心を痛めるのであるから益のないこと。一方、「心配」は、心を配ることであり、千々に砕いて配るべしと。つまり、知恵と慈悲とが一つに溶け合った行為の実行を勧めていると。
師はまた、「人には親切・自分には辛切・法(仏法・真理)には深切であれ」とも心配を展開されていると。徳川後期の儒者佐藤一斎の「春風をもって人に接し、秋霜をもって自らつつしむ」の言にも相応し、さらに「法には深切」は、師にしてはじめて言える至言であると。心は痛めてはいけない、心は執らわれてはならない、ころころと流れるように配らねばならないと…。( 禅語100選( 故 松原泰道師・著 )より抜粋 )
【注:山本玄峰老師(1866-1961)三島市龍沢寺・住職。 和歌山県生まれの禅僧。生涯を通して四国八十八箇所遍路を最晩年まで続け17回に達した。鈴木貫太郎首相に終戦を勧め、日本の降伏を国民に伝えた玉音放送の「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び…」の元となる文言(禅宗の始祖・達磨大師の言葉「忍び難きをよく忍び、行じ難きをよく行じ」を元にしていると。)を進言したと。】(Wikipediaより抜粋)
新型コロナウイルス感染症は、いよいよ第4波に突入、緊急事態宣言が延長されるに至っては、オリンピックの更なる延期も必要となりそうです。希望はワクチンの接種でしょうか…、今月17日からの接種の通知が届いています。日本でも4社のワクチン開発がすすめられていると聞きます。皆で、医療担当の方々同様に、心からの応援をしたいものです。 そしてまた、新型コロナウイルス撲滅のために努力されている関係者の皆様にも、心から応援させていただきたいものです。新薬や変異対策など待たれる研究・開発が飛躍的に進み、新型コロナウイルス禍の一日も早い終息を強く願うものです。
(合掌)
管理人