ブログのアップをどうしたものかと思案しているとき、女房殿には、明日(7月初日)お参りさせていただきましょう…と、即決。梅雨はと言えば、九州、山口辺りで大雨の模様なれど、山陰地方は其の梅雨も中休みの模様です。旧本堂辺りでは、サルの群れがはしゃいでいます。梅、ビワか何かの果実を楽しんでいるように見えます。そして今日は、「御行花替えの日」でもあり、お同行様には、感謝申し上げます。国道あたりには蒸し暑さが籠っていますが(いつも思うことですが)、本堂や信徒会館は、風の通りが違っていて、蒸し暑いとき《涼しい》ことで、みんなで、生きいきしています。花たちは、いま、紫陽花(アジサイ)、ジンジャー、木槿(ムクゲ)など長く楽しめるものが、雑草を押し分けて元気にしていました。
親先生から6月は、「慈悲《じひ》 (美点や欠点にこだわらない愛情) 」と、いただきました。 【慈悲】は2021年6月、「中村元先生の新仏教語源散策」を取上げさせて戴いております由、今回は「仏教名言辞典・奈良康明編著」から引用させて戴くことにしました。
【慈悲・その1: 「弘法大師 空海(平安・774~853)の言葉;続性霊集・巻第四】より「苦を見て悲(ひ)を起(おこ)すは観音(かんのん)の用心(ようじん)、危(あやう)きを視(み)て、身を忘るるは、仁人(じんじん)の務(つと)むる所(ところ)なり。」】
【現代訳: 人の苦しみを見て慈悲の心を起こすのは観音の願いであり、他人の危ういのを見て、自身の身の危ういのも忘れて人を救うのは、慈しみ深い人の務めとするところである。】
【慈悲・その2:慧能(638-713)撰 『六祖大師宝法壇経』に、「諸水衆流は却って大海に入るも、海は衆水を納れて合して一体と為す。】とあり。
【現代訳:もろもろの川の流れは最後には海洋に入りこむが、海の方は多くの川の水を受け入れて、合わせて一つの海水としてしまう。】仏教の経典の中で最も知られているものは……、と聞かれたら、多くの人は、般若心経とこたえるであろう。特に薬師寺の管長・故・高田好胤(こういん)師は、「かたよらない心」、「こだわらない心」、「とらわれない心」、「ひろく、広く、もっと広く、これが般若心経の空の心なり」と、般若心経は、空の心を説き示したお経であり、大海の衆水を納れて一体とする素晴らしい働きは、何に例えたかと言えば、【六祖壇経はこの言葉に続いて、『六祖壇経』は、この言葉に【衆生の本性般若の智もまた是(かく)の如し】と、説いていると…。私たち人間は、このような般若の智慧を生まれながらにして持っている、というのが仏教の人間観である。「衆生の本性般若の智」という表現がそのことをはっきりと示している。生まれながらにしてもっている般若の智慧に目覚めたのが、釈尊の悟りであり、釈尊は、弟子たちにもこの般若の智慧に目覚めることを説かれた。目覚めてみれば衆生も仏なのである。
【慈悲 その3:宗祖お上人様の語録には、お上人様がおっしゃっておられますように、「いただくまいと思っても、授かるまいと思っても、「ありがとうございます、もったいのうございます」と、その気持ちがあったならば、必ず授けられる、いただくまいと思っても、いただかずにはおられない。 そして、授かるまいと思っても、授からずにはおられなくなるそうであります。自分の位置を見極めて、その位置で自分自身が助けられて、救われて、生きているということに、感謝の念を持つことが一番大事であると…。】
今日のことは、まず諸先達さまより様々にお伺いし、または目を通させていただく、その一つ一つがありがたく、感謝申し上げるものです…。
新型コロナ感染症が、格下げになってから、始めての中央での専門家会合が開かれたと聞いておりますものの夏には一つのピークが現れるとの予測が報じられており、油断はならぬと思うものです。 隣の中国でも、一部地域で流行の気配があると聞きます。 やはり、油断は禁物と思っていて、注意を忘れ去ってはいけないと心得ておきたいものです。 もうひとつの懸念は、ロシアの侵攻の渦中にあるウクライナ、平穏が戻る日を祈らずにはおられません…。
(合掌)
(管理人)