歳のこともあり本当に久々のお参りをさせていただくのではありますが、予報では当地の最高気温は36℃の猛暑日であるとのこと、覚悟してのお参りとなりましたが、本日の法要の厳修されます位牌堂は、大木の日陰に在って涼しく、下界とは全く別世界を思わせる場所でした。
そして又、参道には、真夏の日差しに輝く法泉山の深いみどりがどっしりと佇み、そして今年も、木槿、百日紅、カンナ、山アジサイ、狐の剃刀など夏の花々が咲き誇っていました。
今月の親先生からは「中道(ちゅうどう)《対立を超えたまっさらな心の世界。》」と、いただきました。駒沢大・田上先生の「ブッダの教え」によりますと、「あるがままを受け入れ八正道に沿った生活を実践すること」を中道というそうです。
そして八正道とは、正見:正しい見解、正思惟:正しい考え、正語:正しい言葉、正業:正しいおこない、正命:正しい生活、正精進:正しい努力、正念:正しい記憶、正定:ただしい注意を実践することであると。(のちに八正道は3つの実践法「戒・定・慧の三学」としてわかりやすくまとめられたとのこと。正語・正業・正命の「戒」を守れば、正念・正定という正しい「禅定」が可能になり、正見・正思惟という「智慧」を得ることができると。
昔、お釈迦様の弟子にソーナという比丘がおられたそうです。ソーナは裕福な家の生まれで、余り歩いたことが無いので足の裏には産毛が生えていたそうですが、出家後はいつも足から血を流していたそうです。それほど熱心に修行していながら、いつまでも覚りを得られず悩んでいたそうです。それを見たお釈迦様は、その昔、ヴィーナ(琵琶の原型の楽器)の名手だったソーナに、「絃を強く締めすぎても緩めすぎても良い音は出ません。調和の取れた締め方をして初めて良い音が出ます。修行もそのように中道に心掛けなさい。」と教えられたと。そしてその教えを実践したソーナは、暫くして覚りを得たそうです。
今日の親先生には、ご法話の中にて中道のお話があり、弓道の弓に喩えて、弓の弦もまた同じことで、強く張り過ぎても弱く張ってもダメであると、いただきました。
中道は、た易く聞こえてしまいますが、それが八正道のこととは……、と思うのは私だけでしょうか、まずは般若湯におすがりして智慧を出そうとしてしまいそうで……。
ともあれ出来ることからおすがりしてお行させていただきたくお願いするものです。
(合掌)
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