一年間御礼清掃日

あっという間に一年経ち、お世話になった境内の清掃に参加させて頂きました。やっとお山が灰色に変わり、銀杏の木も丸裸になっていましたが、紅葉は未だ美しく日に映えていました。遅れていますが、椿や水仙が一つ、二つ花を付け始めています。変わったことと言えば、アミちゃんの子供たちが清掃している人たちにジャレ回って微笑ましいことでした。

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ところで、先週の親先生のご法話をお聞きしましたので、概略、書き留めて置きたいと思い、整理してみました。それは、親先生が初代先生の後を受け継がれて間もない頃のお話しだそうです。

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ある日、一人の男性がたずねて来て、「自分には、嫁と子どもがおりますが、その嫁と子が突然居なくなりました。「何処に行ったか仏様にたずねてもらえませんでしょうか」と頼まれたものでした。

親先生はその時、初めての経験でしたので、内心、「そんなこと分かる訳はない、どうすれば」と……。ともあれ、先ずは、お不動様にお参りしましょうと、御宝前にお参りし、お不動様にお祈りしてみつつも、何処に行ったか分かるあてもなく困っていると、脳裏に「せせらぎに立つ女性と子供の姿」が浮かんできたそうです。ただ、情景は、入水自殺を連想させるともとらえられる場面であり、困っていると、突然、親先生の口が勝手に声を発し、「大丈夫ですよ」との言葉が飛び出したそうです。そのお嫁さんは、「ただ、お世話になりました。家を出て行きます」との書置きを残しただけで居なくなられたそうで、足取りを追うこともできないとのことでした。

親先生は、「大丈夫だから、家で待つように」と言って帰らせましたが、心配の尽きぬまま、一日たち、二日たち、一週間たって、その男性に様子を尋ねると、お嫁さんは、三日目に帰って来たそうです。

ところが、事件は、このまま終わらなかったそうです。お嫁さんが、「離縁して欲しい」と、言い出したとのことでした。そして親先生には、どうしたものかと相談され、また困り果ててしまいました。子どもの養育のこと、母親の10代の頃からの金遣い荒い悪癖などの夫婦間の問題が新たに分かりはしましたが、仏縁で、何とか縁を繋ぎ留めたい、ご縁を深めたいとの思いはあるものの、思案する親先生に届く声、お不動様の声は、「離縁しなさい」だったそうです。

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道理の通らぬように感じつつも、親先生は、別れることを勧められたそうです。お嫁さんには、ご主人への深い愛情と思い遣り、嫌われたくない心情などが、自身の悪癖が原因して起こる様々な事、それらが日々の生活を徐々に壊して行くこと、更にはそうした生活に浮き彫りにされる自身の醜さなどを見せたくないとの強い思いがあった模様です。

離別し、別々の生活が始まってみると、各々良く働き、暮らしを立て、その結果、親子は、各学年の節目ごとに、親子の再会を果たし、親御さんは、今もお寺にお参りされていらっしゃるそうです。 親様のみ心に全霊をもっておすがりすること、そして、そのみ心のままにさせていただくことが大切であると…。本当に困ったとき、そこに親様がいらっしゃると…親先生のお話しです。

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(合掌)

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